arcanaizu (静岡・湯ヶ島)
2006年にオープンした、ハイセンスなオーベルジュ。設えのセンスと食事が評判を呼び、メディアの露出も多い有名宿ですが、マネージャのお話を伺っていると、かなり試行錯誤を今でもされており、現状に甘んじることなく、改善や新たな取り組みを積極的に導入されており、そうしたところからもこの人気が継続されているのだと感じました。
開業から1度オーナーチェンジをされているようですが、我々の担当をしていただいた方も元々ハイアット箱根やウィンザー洞爺にいらっしゃった方で、なかなか興味深い話を色々と伺うことができ、そうした点でもとても楽しい時間を過ごせました。
宿自体は4タイプのお部屋(部屋の広さとテラスの有無に広さ、風呂の大きさの違い)が3棟のRCの建物からなるこの宿、パブリックはレストラン以外に一切なく、オーベルジュとしての潔さを感じます。
湯ヶ島の住宅街に突如宿が現れます。
なお、バレーサービスがあるので、車はこの車寄せでそのままスタッフに預けます。
パブリックもレストランのみの非常にミニマムな施設。
部屋はRC造のモダンな3棟から構成されます。
チェックインもお部屋で。
お付きのお菓子とウェルカムドリンクが供されます。
このカヌレが特に美味でした。料理の期待も膨らみます。
ウェルカムドリンクはりんごのカクテルを選択。
お部屋はリバーウイングスイート。4種類ある部屋のうち
2番目のグレードの部屋のようです。
BOSEのステレオ。部屋にはCDが2種類置いてあり、
ターンダウン時には別のCDがセットされていました。
冷蔵庫内はフリードリンク。
その他お茶やコーヒーなどもあります。
この時期はオプションで自家製キャビアと赤エビのカルパッチョがありました。
部屋の鍵は1本。パブリックがないので1本で十分です。
お絵かきセットもありました。
玄関入ってすぐ右手にクローゼット。とても広いです。
家具は北欧のもので統一されているようです。
寝室の奥が洗面所。
アメニティはラカスタでした。我が家も使用しているものなので
安心感あり。
シャワーブースが洗い場となります。
この部屋の特徴はデッキスペースが全面にあること。
源泉掛け流しの部屋露天。深さが結構あります。
広さ的には二人で入っても十分余裕がありそうです。
なお、湯温は比較的ぬるめで、長風呂ができます。
デッキの端にはチェアーが。
サンダルはハイアット箱根と同じ工房のものとのこと。
(静岡の水鳥工業製)
部屋によって位置が異なるため、また景色の見え方や
印象が大きく変わりそう。
この部屋は正面に狩野川が開けている景観のため、
開放感があります。
が、夏の鮎釣り時期には川に釣り人がいるため、
目隠しが必要になるかもしれません。(部屋に目隠しも置いてあります)
元々別の温泉宿があった場所を買い取り、上物を建て直したようですが
よくぞこの立地に建てました という位の素晴らしい景観です。
お待ちかねのディナーへ。
この宿唯一のパブリックであるレストランへ。
全面ピクチャーウインドウ、高い天井で開放感抜群、
天井はウッドを用いた非常に素晴らしい空間。
野尻湖のエルボスコに似た雰囲気です。
席はカウンターの中央部をリザーブしていただいていました。
カウンターも隣席との間隔をかなりあけたゆったりした配置。
カウンターの背面には2人掛けのパノラマシートが、さらに
その裏手には3名以上用の半個室があります。
前菜のお品書き。全て手書きのメニュー。シェフが書かれているそうです。
(なんでもシェフの親が画家だとかで、かなり絵心もあるようでとても上手)
あまご燻製ボール
富士金華豚サンド
源流魚とスポンジ わさび
原木椎茸タルト
しらすチップ
全て地物の食材。季節感も強く、盛り付けも非常に楽しい
モダンフレンチの真髄をこれでもかと見せ付けてくれます。
テンションすでに頂点。
なお、もりつけのお皿や小道具も全てシェフが作成されているそうです。
手先の器用さとセンスに驚くことはもちろん、これだけの有名宿なのに
その家族経営的なスタンスにも感心。
パン
バターはオレンジピールを練りこんだもの。マーマレードに近い感覚
赤座エビ、人参、キャビア
ラビオリ。とても美味
今回はポルシェカードのプランで伺っているため
ポルシェカード限定特典。
ポルシェのエンブレムが素晴らしい!
これもシェフお手製の型紙とのこと。オーナーの心をくすぐります。
スープ
伊豆鹿 根セロリ
オプションでお願いした赤エビのカルパッチョ
歌子卵 ズガニ カリフラワー
甘鯛 根菜 ごぼうのソースが美味
メインは3品から選択のプリフィクススタイル。
魚料理は黒ムツ
こちらは肉。地元牛 ビーツ
和梨 バイマックルー
和栗 メーブル カシス
続いては朝食
朝食のメニューも遊び心溢れています。
こちらはシェフの奥様のお手製とのこと。
野菜のタルト
自家製ハム。とても美味
左からクロワッサン、パンドミ、くるみ
左からフロマージュブランりんご、イカとジャガイモのスパゲッティ
さつまいものカプチーノ
サラダ。自家製ドレッシングがとても美味しい
卵料理はプリフィクス。こちらは目玉焼き
こちらはオムレツ
価格は決して安くはないが、施設、ホスピタリティそして
食事のレベル(味はもちろん、器、盛り付け方、調理法、食材)を
考えれば、CPは極めて高いと思います。
また、ハイセンスでモダンである一方、宿の運営自体のスタッフ一体となった
手作り感やチェックアウト後のお見送りをシェフがみずからされる点など、
そのギャップやオーベルジュとしての意識の高さも非常に好感。
シャンパン好きな我が家としては、シャンパンメニューの豊富さ(シャンパンだけで
6ページほどのワインリスト。価格帯も9000円〜30万超まで豊富)も
好材料でした。
なお、チェックアウト13時というのもかなり宿側のオペレーション的には大変でしょうが
とても素晴らしい取り組みです。この点からもホテルを志向されているのかもしれません。
食材の季節感や部屋からの景観を考えると、季節がごとにガラッと印象を変える
であろうこの宿、通年また違った楽しみ方ができそうです。
また季節を変えて伺いたい宿の1軒です。
arcanaizu (静岡・湯ヶ島)
静岡県伊豆市湯ヶ島1662
0558-85-2700
(in15:00 / out 13:00)
一泊(2名)119300円(今回の利用)