あさば　（静岡・修善寺）

修善寺にある日本を代表する名宿。伝統がありながら、そこにあぐらをかくことなく、モダニズムを積極的に取り入れる攻めの姿勢を併せ持ち、施設と料理、ホスピタリティ全てにおいて国内屈指のレベルを維持し続ける宿。

　

宿編　　食事編　　

あさば（食事編）

本日の献立。手書きではなく印刷でした。

白魚の素揚げ。塩加減と食感が完璧です。

空豆のすり流し。空豆の持つ甘さと絶妙の塩加減、喉越しが美味。

弥生盛肴（訪れた時期は３月でしたので）。

鴨のロースト、海老の香り蒸し、菜の花、スモークサーモン、海月と胡瓜の胡麻和え。

どれも非常に良い素材で、見た目にも楽しく季節感あふれる一皿です。

続いては鍋物。この鍋ですが、お土産コーナーにも売っていましたが

なんと５０万近くする代物。それもそのはず純銀製です。

熱伝導が全然違うとのことで。

あ、下のカセットコンロも非常にスリムですばらしいデザインでした。

平目と槍イカのお造り。

特に槍イカは適度に甘みと粘度があり、とても美味。

手長海老の風干。炭の香りと海老の甘さが絶妙。

お酒は早々と日本酒を。地酒をチョイスしましたが、１合２３００円程度。

まあまあ良心的な価格でした。

しかし焼酎はどれも良いものしかおいていないため、価格も結構します。

赤らさの唐揚げ。

紅葉おろしと出汁でいただきます。

分葱、大徳寺麩の辛子味噌和え。お酒に非常にあう一品。

あさば名物の穴子黒米寿司。穴子の食感と味付けの深さが絶妙でした。

春ししとうと新玉葱、牛炊き合わせ。

出汁の上品なこと。どの料理もおいしいのですが、特に出汁がすばらしく

煮物はどれも感動的な美味しさでした。春らしい一品。

桜海老蒸し寿司。見た目にも非常に鮮やかです。

お米の炊き加減と煮椎茸の味付けが美味。

みそ汁。非常に上品な味付けで、深みのあるみそ汁でした。

香の物

ブラマンジェ。

この宿はデザート専門の料理人がいるそうで、その味は推して知るべし。

アイスはふきのとうとオレンジ。ふきのとうがこれが意外に合うんです！

癖になりそうな味でした。奇をてらっているようで、実は味や相性、

季節感を巧みに計算しているこのあたりもただただ流石の一言。

量は個人的にちょうど良い位でした。

続いては、翌朝の朝食。朝食も部屋で供されます。

まずは木のお膳が。非常に凛々しく、清潔感のあるお膳です。

期待が高まります。

地物の椎茸と油揚げを炭火焼でいただきます。

この椎茸の肉厚なこと！しかも大味ではないという素晴らしさ。

酢橘と塩でいただきます。

この椎茸の美味しさで、普段朝食を食べない自分の食欲は一気に

高まりました。

続いては出汁巻玉子。今回のあさばの食事のなかで、これが一番感動的

でした。食感といい、絶妙の味つけといい、出汁の上品さといい、絶妙。

卵焼き用に大根おろしも供されます。

山ウドの白和え。こういう何気ない一品でも非常に手間をかけているのが

よくわかるお味です。美味。

ごその干物。ごそというのはこの地方の呼び方で、金目の一種の深海魚です。

ハシキンメというのが正式名称で、駿河湾で採れるようです。高級魚。

いまいち脂ののり具合が少なく淡白だったのが残念。

生麩田楽。ふわふわの食感。

香の物。実はこうした香の物も非常にみずみずしく美味しいのです。

白飯。この食感（もちもち具合）、甘み、炊き加減には参りました。

浅蜊のみそ汁。出汁がよく出ています。

がんもどき、筍、若布の炊き合わせ。

若布の磯の香りと非常に良い出汁がでていてとても美味しい。

デザートはイチゴ。ここ中伊豆はイチゴの産地でもあります。

最後はお汁粉。私は苦手なのでパス・・・。

食事は全体的にとにかく素材の良さと出汁の良さが出ていました。

素材重視のあまり余計な装飾や味付けはしない直球勝負の料理でした。

正統派懐石とはまた違うのでしょうが、従来の旅館懐石とはレベルが違います。

そしてもう一つ感じたのが、器の素晴らしさです。どれも非常にセンスあふれる器で

料理を引き立てるのに一役を買っています。

酒飲みの自分としては、もう少しメリハリの利いた味付けでも良かった気もしますが、

それでは素材の良さが出ているので、それはそれでありでしたが。

全体的にはかなりの高水準の料理でした。

給仕のタイミング、仲居さんの知識もパーフェクトでした。

あさば（静岡・修善寺）

静岡県田方郡修善寺町修善寺3450-1

0558-72-7000

（in14:30 / out 11:30）

一泊（２名）＠38000円から

HP:なし