ブレストンコート(長野・軽井沢)



 中軽井沢の星野温泉にある、星野グループのホテル。

以前から料理のレベルが高い宿として有名でしたが、メインダイニングである

ノーワンズレシピは現在朝食のみ供されるレストランになり、代わりにメインダイニングとして

敷地内に新たに作られた「ユカワタン」が更なる高い名声を得ています。


 このエリアはブレストンコートを初め、星のや軽井沢、ハルニレテラス、石の協会、とんぼの湯等

星野グループの施設が集積している、星野発祥の地であります。

 星野グループと言えば、近年旅館再生事業で成長著しく、あまたの名旅館を資金力に物を言わせて

買収し、リブランドオープンさせていますが、このブレストンコートは元々星野グループのホテルとして

創業されたものです。ちなみに、有名どころでは、界ASO、蓬莱、貴祥庵、桜庵、ロテルド比叡等が

星野に買収され、星野グループとして再出発した宿です。


 星野のやり方には賛否あるかと思いますが、今回利用して感じたのは、よくも悪くも徹底した

合理主義と強気な経営方針でしょうか。ホテル経営がビジネスである以上合理性の追求は当然でしょうが

それがあまりに過剰になるとホスピタリティや顧客満足度といった、宿に求められる基本的かつ

必須のものと相反すると感じます。

 このホテルは結婚式場としても有名で、1日に数十組以上挙式を上げることもあるそうで、ホテルの

駐車場もロビーも参列者でごった返しており、宿泊者が座る椅子すらない、車も未舗装のかなりホテルから

遠い場所へ駐車せざるを得ない(結婚式参列者の車で近場は埋まっているため)、しかもバレーサービスが

ない等、いきなり面食らう出だしとなりました。1泊(ユカワタンのディナー込)1名5万近くする宿と

しては、これは考えられません。

 しかも、予約時にカード決済を強制的にさせられるのは、ホテル側の都合であるとしか言えません。

なぜ利用してもいないサービスの対価を、利用する半年も前に支払う必要があるのか、疑問を感じずには

いられません。星野側からしたら、資金周りが良くなるでしょうけど。ゴールドマンサックスに見限られた

こととこのシステムの相関性は不明ですが、穿った見方をしてしまいました。






ロビーがある建物でチェックインを行います。

この建物には客室はなく、朝食をいただくノーワンズレシピと売店、

ロビー、あとは結婚式関係の施設のみのようです。

客室はここから徒歩数分の点在しているコテージとなります。

(車での送迎可)



今回利用したのはテラスヴィラ。その名の通り各棟には

テラスがついています。




手前がベッド、奥に洗面と風呂といういたって簡素なワンルーム。




ベッドと水回りのパーテションの役割を果たす棚には、お茶類や

冷蔵庫、電話、CDプレーヤー等が配置。



ミネラルウォーターと紅茶、コーヒーは無料



星野は滞在時間を大切にして欲しいとかでテレビと時計を設置しない

スタンスのため、チェスとトランプで遊んでくださいとのことで

部屋に備品としておいてあります。

時間を気にせずと言いながら、結局当然ながら食事の時間やチェックアウトの

時間は決められており、時間を気にせず過ごす事は現実的に不可能なのだから、時計はおくべき。

テレビは個人的には見ないのでなくても全く問題ないが、宿側の

コンセプトの押しつけはいかがなものかと思う。




コーヒーはミルからひくものとひかれた豆と2種類おいてあります。

面倒なので利用せず。




CDは2名おいてありました。その他、星野102年史的な本(持ち帰り自由)と

万華鏡。



夜出歩く用に懐中電灯(大小)とセーフティボックス等



冷蔵庫。中身は有料です。



バスタブ。寝室と境はなく、扉もないという・・・。

デザイン優先で使い勝手二の次な造り。デザインというより

コストや合理性至上主義ともとれなくない・・・。



タオルは1枚ずつ。



洗面







アメニティは環境に配慮し、最低限のものしかおいていませんとのこと。

必要なものがあれば、フロントに電話すれば持って来てもらえるとのこと。

ここからも宿側の合理性を優先する姿勢を感じずにはいられない。



トイレ



部屋にはハーブティーのセットが用意されています



ソファ。ベッド以外の居所はここだけです。




部屋の外にはちょっとしたデッキがあり。

ただし、狭いのと、人通りがあり、プライベート感はゼロ。



部屋に案内されると、せっかくなのでテラスでハーブティーをと

宿が。いや、かなり外寒いんですけど・・・。もう少しその日の

気候等を加味して、フレキシブルな対応をしてほしい物です。






さて、一番楽しみにしていた夕食。ユカワタンを予約しておきました。





広大な敷地にある別棟のレストラン。アクセスから想像力を掻き立てられ

期待感が高まります。





木々の奥に佇むのはユカワタン。

シェフはポキューズドールで3位に輝いた実績のある方。





まずは猪肉のサンドイッチ




ワカサギの南蛮




そして有名な6つの石のアミューズ





南瓜とチーズ





新玉葱のムース





ゴールデンキャビア(鱒)と鯉




失念・・・




鴨肉のクロケット




こちらも失念・・・この6品で一つのコースが完結するような

意匠のため、この最後の1品は甘いものだったことは覚えています。




鯉の洗い。こりこりで鮮度が高い事が分かります。

ソースは梅、梅塩、バジル等。





鯉から出汁をとったスープ。




鴨のリエット





パンに供されるのは豆腐フロマージュ。普通のバターが良かった・・・





パン。普通に美味しい。




チーズ。粉末状のもチーズ。液体窒素でフリーズ状にしたもの。





真鯛のポワレ。非常に香ばしく、脂も乗った美味しい真鯛でした。




子羊のロースト。臭みがなく、非常に美味しい。




シェフが朝裏山で摘んで来た山菜のサラダ。




これも焼いて砕いたチーズ。もう芸術作品の域か。




デザート。キャラメルソースが香ばしくて美味。





独活のデザート。挑戦的な一品ながら、地の物を使った季節感溢れる一皿。





一方自分は苺のデザート








最後にいきなり巣箱が置かれます。




巣箱を開くとミニャルディーズがこれでもかと







当然食べきれないので、保存がきく物は持ち帰りで出来ます。



食事は美味しいのは勿論、皿、盛りつけと飾り付け(彩り、余白の

使い方)、アイデア、地物感と季節感、どれをとっても完璧でした。

美味しい食事を通り越して「楽しい食事」でした。大満足。





朝食はこちらのノーワンズレシピで。以前のメインダイニングだった

レストランです。

6:30から開いているのは嬉しいです。







メインのみサーブされるハーフビュッフェスタイル。







有名なそば粉のガレット。



蕎麦アレルギーのある人はジャガイモのガレットに変更可能。



食事のレベルは夕食、朝食ともに期待以上のものでした。

この食事のためだけに訪れる価値のある宿です。

ホテル自体には利用価値を殆ど見いだせなかったので、次は宿は

別に取って、外来で夕食のみ利用させていただこうかなと思います。




 

ブレストンコート(長野・軽井沢)



長野県北佐久郡軽井沢町星野

TEL:0267-46-6200


in 15:00~/out ~12:00

1泊(2名)今回利用時@27900(2名利用時。夕食@18000別)


ブレストンコート http://www.blestoncourt.com