嵯峨沢館(静岡・嵯峨沢温泉)
静岡は中伊豆にある旅館。あのあせび野の兄貴分の旅館であり、いわゆる典型的オーソドックスな昔ながらの旅館の雰囲気がある一方、部分的にリニューアルもされており、両者を楽しめる宿です。また、貸切個室の岩盤浴もあり、さながらリゾート的な愉しみ方も出来ます。
静岡は伊豆・嵯峨沢温泉にある旅館。姉妹館であるあせび野の方が今ではすっかり有名になってしまったが、こちらの方が歴史は古い。05年にリニューアルを行い、パブリックスペースや一部の部屋は、かなりモダンな感じになりました。
今回利用したのは、部屋露天風呂付の「花いかだ」(@28000円)でしたが、こちらはリニューアルしていない部屋で、良い意味で古さの残ったオーソドックスなお部屋。12畳程の居間に次の間という間取り。この宿は狩野川沿いに建てられており、部屋からの眺望も非常に風情があってよかったです。狩野川沿いに横長の建物を配するあたり、あせび野とそっくりです。国道414号沿いにあるものの、部屋は全て川側に配置しているため、車の音も全く気になりません。
ロビーやウッドデッキにプール等、リニューアルした箇所は中々良い雰囲気が出ています。特に、デッキに配された椅子(座り心地抜群!)に座って、コーヒーを飲みながら眼前の狩野川をぼーっと眺めるのは、何とも言えない至福の一時です。
この宿の売りの一つである風呂の充実度ですが、こちらは6つの共用風呂(うち露天風呂2ヶ所)に貸切風呂3つ(予約不要・24時間利用可)に2つの予約制貸切風呂(ジャグジーと露天の2ヶ所、要予約・各部屋いずれか1箇所のみ利用可)という多さ。特に、貸切風呂が全て無料というのはうれしい限りです。
また、この宿のもう一つの売りである「岩盤涅槃浴」(予約制、@2000円)ですが、是非利用されることをお勧めします。一度の利用時間(75分)でかなり発汗するのですが、サウナ等とは違って骨から温めることで発汗を促すという代物のため、発汗するまでに多少時間がかかるものの、発汗後のベトベト感も全くなく、また体の芯から温まっている感じがかなり持続します。体内の毒素・脂肪・老廃物を汗と共に排出する効果があるとの事です。
一方、部屋風呂はというと、目隠しのため眺望は全くゼロなものの、大きさ・湯量ともに申し分なく、満足のいくものでした。
今回利用した全ての風呂に言えることですが、泉質が非常に柔らかく、肌がすべすべになるのが目に見えて分かりました。
食事はというと、従来は部屋出しでしたが、こちらもリニューアルしたダイニング(個室)で供されます。お酒の値段は良心的で、特に焼酎の種類が多いのは、酒飲みの自分には魅力的です。何でも、嵯峨沢館の経営者の方が無類の焼酎好きで、自分で厳選したものを置くようにしているんだとか。まあ、あせび野の方が種類は多かったですけど(同じく焼酎好きの社長の息子さんが、あせび野でドリンクを担当されているからでしょうか・・・)
あと、一品一品が出てくるタイミングは中々絶妙です。待たされたり早すぎたりってのは、殆どありませんでした。
ただ、食事時間が2つからしか選べないのは・・・もう少し選択肢を増やして欲しいですね、チェックイン出来る時間や風呂等の館内施設の種類等を考えると。
どうしてもあせび野と比べてしまいがちですが、あせび野と決定的に違う所は、客層でしょうか。ファミリーやグループ、団体客も多く、静かな雰囲気というよりは賑やかという感じです。
今回の宿泊はリニューアルしていない部屋でしたが、それはそれで良い選択でした。共用部はモダンな感じでありながら、部屋に居る時は伝統的な「これぞ日本の旅館」って感じも味わえて、何と言うか一粒で二度美味しい的なお得感がありました。全てが「モダン」「頑張っています」的な感じだと、どうしてもこちらも疲れちゃうんで。ゲームコーナー然りラウンジ然り仲居さんの雰囲気然り、古さと新しさが渾然一体となった「不思議」な旅館です、いい意味で。
総合的に非常に満足度とコストパフォーマンスの高い宿でした。今度は季節を変えて訪れたい旅館の一つです。狩野川・嵯峨沢の風景は、次はどんな顔を見せてくれるんでしょうか・・・
眼前を流れる狩野川
部屋付の露天風呂
シャワーブースは屋内に
リニューアルされたプール付ウッドデッキ
貸切ジャグジー風呂(無料・要予約)
ロビー
カウンター(PCが設置してあり、ネット利用可)
貸切風呂「海石溜」(無料・予約不要)
貸切風呂「桔梗」(無料・予約不要)
貸切風呂「石楠花」(無料・予約不要)
岩盤涅槃浴用個室
脱衣スペースにはソファ・テーブル・洗面台完備
入浴後の休憩スペース
マッサージチェアも2台完備(かなりきもち良い!)
水と麦茶が無料でいただける
■夕食
食事は個室ダイニングにて
ダイニングからも狩野川が眼前に
箸付:
春の芽吹き和え 蕗のとう 芽芋 こごみ 花山葵
八寸:
菜の花 サーモン 黄味酢掛け
白魚風干し 海老手毬ずし 蕨 花ゆりね
鰻八幡巻 真子生姜煮 一寸豆
椀盛り:
花びら大根 うぐいす菜 春子椎茸 柚子
造里:
旬の恵み 季節の品
山葵はその場ですりおろして供される
鍋:
山独活と天城牛の玉締め どんこ椎茸 根三ツ葉 玉子 柚子
焚合せ:
桜蛸赤煮 若牛蒡 海老子 桜道明寺麩 木の芽
焼物:
穂つき筍 木の芽焼き
伊勢海老黄味煮 芽生姜
止肴:
新もずく ぽん酢ゼリー 白木海月 大根卸し
食事:加薬ご飯 色三ツ葉
留椀:赤出汁
香の物
水菓子:
季節の恵み
■朝食
茶碗蒸し おから 海苔 サラダ 煮物 昆布明太 漬物 白飯
とろろ おかゆ 味噌汁 鮎の干物 湯葉豆腐鍋 デザート
鮎の干物
湯葉豆腐鍋
おかゆ(とろみのある出汁掛け)
とろろ(なめこ、わさび、海苔入り)
サラダ
煮物(大根、つみれ)
デザート(苺、マンゴー、餡子餅、抹茶餅)
嵯峨沢館(静岡・嵯峨沢温泉)
静岡県伊豆市門ノ原400-1
TEL:0558-85-0115
一泊(2名) @23250円~
in 14:30~/out ~10:30