二期倶楽部(栃木・那須)
那須にある日本を代表するオーベルジュの一軒。本格的フレンチのレベルの高さに加え、広大な敷地面積とそれによるロケーション、様々なアクティビティ、ハイセンスな建築物とインテリアから開業以来絶大な人気を誇るオーベルジュ。本館と東館から構成され、東館はメゾネットタイプの離れになっており、かのコンラン卿がトータルプロデュースしたことでも有名。
栃木・那須にあるいわずと知れたオーベルジュ。都内や葉山でレストランなどを営む二期リゾート初の宿として、開業当初から注目され続けている一軒であります。
今回は、本館の和洋室を利用しましたが、本館には他にも洋室があり、また東館にはかのコンランが手がけたレジデンス棟もあります。本館・東館にはそれぞれ異なるレストランが用意されておりますが、今回は本館ということで、レストランもフレンチの「ラ・ブリーズ」を利用しました。
那須街道からサファリパーク方面へ向かうと急に道が狭くなり、木々が生い茂る中突如二期倶楽部が姿を現しました。周囲は外壁で覆われており、外側からは中の様子をうかがい知ることは出来ません。適当に駐車場に車を停めると、従業員の方がどこからともなくやってきました。どこかにカメラでも付いているのかな?(見た感じ、それらしきものは見当たりませんでしたが・・・)
夜はバーラウンジとして利用するライブラリーにてチェックインを済ませ、部屋へ向かいます。当日はレストランで、丁度ブライダルパーティーが行われていたようで、子供の歌声やら奇声やらが聞こえてきます(新婦さんが小学校の先生だとか)。
部屋はというと、非常に天井が高く開放感抜群ではありますが、通路に面しているため、プライバシーはほぼゼロです。せっかくの大窓とそこから見える溜池も、常にブラインドを下ろしていないと落ち着かないとあっては勿体無い・・・。
インテリア及び照明は非常に落ち着いており、また部屋には雑誌なども備え付けられており、こちらも備え付けのコーヒーミルで挽きたてのコーヒーをいただきながら読書をして過ごしました(ライブラリーにある本も借りて部屋で読むこともできます)。因みに、和室はというと琉球畳を用いたシンプルモダンなもので、窓からは部屋裏手の木々を鑑賞できます。夜はこちらに布団をしいて、寝室として使用します。
夕食までまだまだ時間があったため、敷地内を散歩してみましたが、これが実に気持ちいい!非常に広大な敷地(42000坪とか38000坪とか?従業員の方が言うには28000坪でしたが・・・まあ、情報が錯綜する程広大ということでしょうか(笑))に散歩道が整備されており、小川が流れていたり休憩用のベンチがあちこちにあったり。一周すると時間的に30〜40分程度ですので、距離・時間的にも丁度良い散歩コースでした。因みに、途中には露天風呂もあります。女性の方は、歩きやすい靴・服装で来た方が良いかもしれません。
これだけの敷地ですから、まだまだ今後あらたな施設を作っていく計画のようです。ちなみに、訪れた時には石舞台と社員寮を作っているとのことでした。
この敷地にSPAやら温泉やらビリヤードやらカフェやら・・・滞在型リゾートを志向しているだけあり、その選択肢は多岐に渡ります。ライブラリーで読書にふけるのも良し、映画を借りて部屋で鑑賞するも良し、TV鑑賞にふけるも良し(CSのため、チャンネル数はかなり多いです)。
オーベルジュを名乗るだけあり、料理のグレードもかなりのものでしたし、これだけのハードを持ち合わせているんですから、満足度が低いわけがありません。
都心からちょっと足を伸ばすだけで、これだけの自然と料理と施設に浸ることが出来るんですから、総合的なコストパフォーマンスは非常に高いと感じました。各部屋も趣が異なるようなので、再訪を胸に誓いつつ後ろ髪ひかれる思いで帰路につきました。
外からは中の様子を窺い知る事が出来ない
本館和洋室棟
リビング
和室
キャビネット(未使用時)
中にはこのようにTVやDVDプレーヤーが機能的に配される
備え付けのDVDプレーヤーとLDプレーヤー
アメニティの入った籐籠
シャンプー・ボディソープ等はオリジナル
部屋備え付けのミニシンク
コーヒーミルも完備
冷蔵庫内の飲み物は無料(ボトル等一部を除く)
有料のミニバー(山崎やレミーマルタン、ワイルドターキーなど)
部屋備え付けの雑誌
部屋からの眺望
ルームキーは2つ(暗所でも使えるようにミニライト付)
散歩コース
露天風呂
露天風呂の脱衣場
テニスコート
自家菜園(料理で供される)
バーラウンジ(兼ライブラリー)
カウンターからは敷地の木々が
東館のレセプション棟
東館レセプション棟内部
東館メゾネット棟
さて、二期倶楽部の食事はというと・・・こちらは東館と本館とでは、利用できるレストランも異なっています。今回は本館利用なので、本館用のフレンチ「ラ・ブリーズ」にて。
ラ・ブリーズ
「アミューズ」
・・・若鮎の食感と絶妙の塩加減が食欲を増進させます
「那須高原の初夏と水光る薫風の皿」神那鶏のコンフィと才巻海老、
柚子と紫蘇の薫るジュレ 放し飼い那須御養卵、順菜、白美人と冬瓜を添えて
・・・非常にみずみずしい一皿。あっさりしながらも卵黄のコクと甘みが見事にマッチしています
幻のポーク「梅山豚」メイシャントンの仏蘭西風トンポーロー
二期の林で摘んだよもぎの手打ちパスタと共に
・・・フレンチでトンポーローという発想に驚き!そして食してまたまた驚き!箸で割ける程に煮込まれた豚肉は、ジューシーで濃厚。これは本当に美味しかった!
那珂川で獲れた本日の渓流魚のムニエール 那須高原の山菜と共に
山椒、芹と新牛蒡の香るソース
・・・こちらは箸で食します。濃厚なソースとライムの爽やかさが絶妙。
メインは4種からセレクト。今回は仔羊を選んでみました。
二期菜園のハーブにまみれた仔羊背肉と那須高原で採れた初夏の彩野菜のダッジオーヴン焼き
ポメリーマスタードと香草風味の仔羊のジュを添えて
・・・オーブンごと一度持ってきてくれ、焼きあがった様子を見せてくれます。その後お皿にサーブしてから供されます。それほど臭みもなく、一緒に焼かれた玉葱等の野菜のエキスがしみこんでおり美味!マスタードソースがパンチを効かせてくれます
ちなみに、他には仔牛フィレ肉、仔鳩などがありました。
相方がセレクトした「とちぎ産仔牛フィレ肉のポアレ キノコのロッシーニ風と赤ワインソース ジョセフィンファームのアスパラガスと那須高原の彩り野菜」
・・・ちょっとソースが濃厚すぎるかなと感じました。好みもあるかと思いますが、肉自体もややパサつきがあり、仔羊を選んで大正解
初夏の甘味彩々
・・・アイスの入ったクレープのラズベリーソース仕立て。さっぱりしていて美味しかったです
ミニャルディーズ等
続いて、翌日の朝食を。朝食は、泊まっている場所(本館・東館)に関わらず、「ラ・ブリーズ」「ガーデンレストラン」のどちらも利用出来るとのことだったので、それならばと東館のガーデンレストランを利用してみました。
ちなみに、朝食は和食と洋食からセレクトできます。また、サラダやドリンク、パン、ヨーグルトなどはブッフェ形式で、好きなものを食せます。
焼き魚と漬物
温泉卵、梅干、塩昆布
味噌汁ではなく、野菜たっぷりのスープが出てきました
芋や揚げ出し豆腐や牛蒡など
ちなみに洋食は・・・
パン、ヨーグルト、サラダ
オムレツ、ソーセージ、ベーコン
他にも、冷製スープなどがありました。
味もさることながら、この抜群のロケーションで食す気持ちよさは最高です。
夏は是非テラス席で食されることをお勧めします。
オーベルジュを自負するだけあり、料理のレベルは非常に高いと思います。今までいろいろな宿を利用させていただきましたが、これほど料理の美味しさが強烈に印象に残っている宿は、数軒しかありません。
それなのに、変に格式ばっておらず、フォーク・ナイフと共にお箸が用意されていたり、フレンチにも関わらずトンポーローが出てきたり・・・変に奇を衒った外し具合の場合は見ていて寒々しいものがありますが、ここの場合はそれが全て美味しいんですから、結果的に大成功なのではないでしょうか?型にはまらず、肩肘張らずに美味しい料理に舌鼓を打ち、見た目にも楽しい料理の数々と木々の生い茂る贅沢な景色と過ごす時間、本当に凄い贅沢なことだと思いますし、至福のひと時です。
味は勿論ですが、見た目も本当に凝っていて、一皿で二度美味しいんです。
また、料理自体も、自家菜園で取れた野菜や地の食材をふんだんに使用しており、好印象。にんじんやきゅうりのみずみずしいこと・・・本当に美味でした。朝食のブッフェですが、サラダ用に塩が5種類程用意されていたことからも、その新鮮さと自信が伺えます。
ちなみに、ここの料理長は数年前に変わられたようで、現在は西洋銀座やパークハイアットで料理長を歴任してきた方がされているようです。取締役統括総料理長という肩書きらしく、デスクワークの合間を縫って現場で指示されているとのこと。
とにかく、非常に満足度の高い料理の数々でした。雰囲気・接客・味・量・見た目ともに。
料金は決してお安くはありませんが、行けばその意味も価値も自ずと分かると思います。
二期倶楽部(栃木・那須)
栃木県那須郡那須町高久乙道下2301
TEL:0287-78-2215
1泊2名 @25000円〜(洋室・2食付)
(in 15:00〜/out 〜12:00)