濤亭 (静岡・下田)


下田の先の入田浜に位置する宿。全18室程度と良い意味でこじんまりとしており、それでいて接客からインテリアに至るまで、決して華美ではないが、行き過ぎない、非常にバランスのとれた宿。目の前に広がる入田浜は。、その透明度と水質で日本の海百選に毎回入るほどの綺麗な海。





 下田は温泉や観光地として有名ですが、そこからすこしだけ南伊豆方面に足を伸ばすと、

人のあまりこない、それでいて伊豆であることが信じられないくらいの透明度と綺麗な白

浜の広がるこじんまりとした浜がいくつもあります。鍋田、多々度、そしてこの入田浜です。


 このあたりは国道が南伊豆に向かってやや内陸を走るため、こうした海沿いへは非常に

狭い生活道路を使うことになりますが、この入田浜へ続く道も、この宿のちょっと先で

終わっているため、人がほとんどこないのです。


 そんな風光明媚な浜が眼前に広がる好立地の宿が、今回お世話になった濤亭です。宿は20部屋弱の部屋数で、自分が理想とするサイズの宿です(諸々の面から、20部屋以下がベストだと思っています。)

 ちなみに、今回は宿開業何十周年プランとかで、通常@22000円のプランが @16000円で利用できるというものでした。



 宿へは下田の駅から車で10分足らずで着きます。

中央の茶色の建物が宿です。ちなみに、隣はTBSの保養所(TBSは良いところに保養所を沢山持っています。あちこちの避暑地でいつも思うことですが)。さらにその隣はサーフショップや民宿が数軒。非常に静かな所です。



宿はこじんまりしていますが、決して田舎臭くなく、きらびやかではありませんが

シンプルかつ上品にまとまっています。

しかし入り口の一番良い駐車スペースにホテルのオーナの車(マセラティ)を置く

感覚は理解出来ません。関係者が一番便利な場所を使うってどうなんでしょう。

また、従業員さんの総意で、一応お客さんに気を使って車にはカバーがかけられていますが、フロントノーズの長い特徴的なシルエットで一目でわかります・・・。



部屋も決して豪華ではありませんが、清掃が行き届いた明るい部屋で

広さも景観も申し分なしです。



部屋からは入田浜が一望できます。このあたりの海の特徴である

エメラルドグリーンが晴れていればもっと良くわかるのですが、

この日はあいにくの曇り空・・・



部屋にも檜の内風呂が着いていますが、この部屋数なので共用風呂も

混み合うことがないので、今回は部屋風呂はつかいませんでした。

ちなみに、この宿には貸し切り風呂はありません。



洗面所。やや古さを感じるものの、鏡は大きく見やすいものでした。



アメニティ。



部屋には浴衣と風呂用のタオルが。従って、共用風呂にはタオルは

置いてありません。共用風呂にはタオルは置いておいてほしい所です。



最近宿に着くなりロビーでお茶を出す宿が多いですが、ここはすぐに

部屋にあげてくれます。

ということで、自家製ところでん。



お茶は塩昆布茶



建物は3F建てなので、階段利用が多かったですが・・・

エレベータホール。こぎれいにまとまっています。



この宿の特徴のひとつ、目の前が浜辺のため、裏口から浜辺に直接行ける通用口が

あります。きちんとビーチサンダルが用意されており、外には写真のように

足を洗うためのシャワーが3つ設置されています。さらには、タオルまで用意されています。

うーん、だったら共用風呂にもタオルを・・・



共用風呂の入り口。このように小上がりになっており。手前左が婦人風呂、

奥右手が男性用となります。時間で入れ替えられます。

ちなみに、手前左手の風呂には、小さいながら露天風呂もついています。



脱衣場。窓の向こうは宿正面の道路ですが、一応目隠しで見えないように

なっています。



風呂。このキャパを考えれば、湯船の大きさは必要十分ではないでしょうか。

しかし、上述のとおり外が正面道路のため、目隠しされており、景色が全く

見えません。せっかく目の前が綺麗な海という立地なのに、その好条件を

完全に殺してしまっています。

Fではなく3Fに風呂があれば、好立地を最大限活かせたのでしょうが。



食事は部屋食です。

酢の物。いくらと山芋、もずくす。



前菜は季節の酒肴その日仕込みの盛り合わせ。枝豆、エシャロット、海老佃煮、いちじく等。



向付。かんぱちとイワシ、鯛など。刺身はどれも本当に美味しかったです。



伊勢エビの荒い。殻は翌日の朝食でみそ汁になります。



地物ということで金目の煮付け。うーん、味付けは濃いめで好きな味なのですが

金目自体があまり脂がのっていませんでした。夏ということを差し引いても・・・



揚げ物。海老の大葉包み東寺揚げ。他にはなすやししとうなど季節の野菜。

抹茶塩でいただきます。



この宿の名物らしい。鯵のたたき鍋。



新鮮な地鯵のようなので、個人的には刺身で食べたい所ですが・・・

これはこれであっさりしていて美味しかったです。



秋田こまち伊豆若布和え。この若布のすくなさは尋常じゃありません。

こんな少量なら、ただの白飯のほうがよほどましです。

寒々しい気持ちになるだけですから。これはちょっと・・・という感じ。



赤みそのみそ汁。



香の物



自家製シャーベット




食事は、まあ目新しいものは特にありませんが、安心していただける

ものでした。

刺身が特に美味しかったです。流石地物といった所でしょうか。

給仕のタイミングやこちらの質問に対する知識等も満足いくものでした。


続いては、朝食。

オーソドックスな旅館の朝食ながら、品数は十分といった感じです。




この煮物は特に良い味でした。



干物も地物だけあって美味しかったです。



昨夜の伊勢海老の荒いの殻で出汁をとったみそ汁。



伊豆の名産のニューサマーオレンジ。





この宿は、とりたてて特筆するほどの何があるわけでもないんですが、

調度品から雰囲気、接客から距離感までが心地よく、本当に気持ちよく

宿を後にできました。それに加えてこの立地と景観、満足しない訳がありません。

宿に派手派手しさやなにか特徴的なものを一つ求めている方にはやや物足りないかも

しれませんが、癒されに行く、リラックスしに行くという目的で宿を選ばれる方に

とってはかなり良い宿なのではと思いました。




濤亭 (静岡・下田)



静岡県下田市吉佐美348-7

0558-22-3450

in15:00 / out 11:00)


一泊(2名)@25000円から


HP:http://www.toutei.co.jp