オーベルジュ土佐山(高知・土佐山温泉)



 高知県にある和食のオーベルジュ。和食のオーベルジュという珍しさのみならず、大自然に抱かれた立地、第三セクター方式の運営による低価格料金、洗練されたスタイリッシュなインテリア等、様々な面から注目される宿。


 


 高知県は土佐山にある和食オーベルジュ。市に委託されオリエントホテルが運営する3セク方式の運営手法をとっており。そのためか、外来入浴や地元の食材や民芸品の直売なども行っています。 


 まず、場所がなかなか凄い所にあります。高知市内から車で30分程度ですが、本当に山奥・・・宿までの道は対向車とのすれ違いも困難な程の狭小峠道がひたすら続きます。ガレやダートはなく、全面舗装ではありますが。運転慣れていない人にはキツイかもしれません。


 しかし、行くまでの苦労が多い分ロケーションは最高。周囲は全て山に囲まれており、宿の目の前を流れる川の水の澄み切っていること!静かにすごしたい人には持って来いの環境ではないでしょうか。


 さて、肝心の料理はというと、全体的にかなり味付けが濃いと感じました。これはここだけに限った話ではなく、四国全体を通して感じたことなので、四国という土地自体がそういう風土なのでしょうか?でも、元々酒を飲む自分にはそれはそれで大歓迎ですけど。


 連泊したので料理も色々いただきましたが、オーベルジュというコンセプトや建物・内装等の洗練された感じとは対照的に、料理自体は地の食材そのものの持つ良さ・味を活かして素朴かつシンプルに調理されたものが多く、とても美味しかったです。鮎の子(塩辛のようなもの)は初めて食べましたが、とても美味しく、日本酒のお供には最高です。宿の人曰く、関東では中々食べれることの出来ない珍味だそうで。この鮎の子ですが、連泊しないと出てきませんので、是非連泊されてはいかがでしょうか?


 全体的に全ての料理が高いレベルにあって美味しく頂けましたが、中でも白飯の美味しいこと!白飯が一番美味しいなんて言ったら怒られてしまうかもしれませんが、個人的にはベースとなる最も重要なものだと思っていますので。四国のブランド米的な新井田米に香り米をブレンドしているとのことですが、甘味と香り、食感、それに抜群の炊き加減がなんとも言えず美味。私はあまりの美味しさに、白飯のみで食べました。


 お酒は日本酒とワインの種類がとても多かったです。文佳人(アリサワ酒造)、酔鯨(酔鯨酒造)、桃太郎(文本酒造)、無手無冠(無手無冠)、ダバダ火振り(無手無冠・栗焼酎)などをいただきましたが、どれもとても美味しく、リーズナブルな価格設定でした(文佳人が個人的には一番好みでした)。


 因みに、各部屋にはこのBang&Olufsenのプレイヤーが備え付けられており、フロントで好みのCDを借りて鑑賞できます(ダイニングやBar等、館内の至る所にBang&Olufsenのプレイヤーが)。一方、周りの景色と音を楽しんでもらいたいとの思いから、各部屋にはTVが一切ないという徹底ぶり。個人的にTVは殆ど見ない(特に旅行の際には)のでまったく不都合ありませんが。


 お箸で食すオーベルジュというコンセプトやその料理内容に否定的な意見もあるようですが、個人的にはこれはこれで「あり」だと思いました。 いや、コンセプトだの何だのって小難しいことは良く分かりませんが、実際に利用して満足感が得られればそれで良いのですから。


 なお、その食事内容ですが、写真を殆ど撮らなかったので、活字が多くなってしまいました・・・。ちなみに下記メニューは、連泊2日目のものです。




前菜:鮎の子(酒呑みにはたまらない。病み付きになる美味さ)

   衣かつぎ

   蒟蒻味噌巻き

   秋茄子黒胡麻よごし

   アスパラガス生ハム巻き


御造:イサキ

   烏賊


煮物:柳川鍋(ここの柳川はなんと鰻!これは美味しかった)


焼物:鮎塩焼


替鉢:土佐和牛サイコロステーキ


油物:キス梅肉揚げ


酢物:うつぼタタキ地場野菜添え


止椀:蛤清まし汁


御飯:白御飯


香物:三種盛


デザート:メロン・梨



・・・結構好みが別れる所かと思うけど、個人的にはここの料理大満足でした。ただ、三セクのためか、従業員さんの当たり外れが大きいかもしれません。


 あと、この宿はなんといってもお酒の種類が豊富かつ皆美味しいです。アリサワ酒造の文佳人と無手無冠はかなり美味しかったです。


 ちなみに、朝飯はというと「超正統派」なこれぞ日本の朝ごはんって感じでした。トロロ麦飯と白飯が選択可能ですが、是非是非白飯がお勧め(何故か二日目の朝食の白飯はあまり美味しくなかったなー。炊き方一つでああも変わるものかといい勉強になりました)。


周りはとにかく山ばかり・・・




家具もとてもモダン。




部屋風呂もありますが、大浴場が完備されています。ただ、外来入浴客が多いですが。




シンクもとてもモダン




部屋の向こうは谷になっており、川が流れています。

その川の向こうへつり橋で渡った先に離れタイプの部屋があります。




部屋に置かれるB&Oのプレーヤー












オーベルジュ土佐山(高知・土佐山温泉)



高知県高知市土佐山東川661 

TEL:088-850-6911

1泊(2名)16950円〜


オーベルジュ土佐山 http://www.orienthotel.jp/tosayama