あせび野(静岡・湯ヶ島温泉)

 中伊豆に佇むデザイナーズ旅館の草分け。とにかくひたすら静かな環境にあり、聞こえてくるのは裏手を流れる猫越川のせせらぎのみ。今も昔も予約困難な人気宿の1軒に数えられる宿。


 

 石川さゆりの「天城越え」で有名な天城峠のすぐ近くにある湯ヶ島温泉。猫越川沿いに数件の宿が点在しているとても静かな温泉地に、このあせび野はあります。アクセスは西伊豆・東伊豆どちらからでも大差ありませんが、個人的には東伊豆から行ったほうが、河津のループ橋や浄蓮の滝等見所があって面白いかと思います。

 昨今の人気宿の条件(全室部屋露天付、デザイナーズ、比較的小規模、食事は懐石「風」料理を個室の食事処で等)をほぼ網羅したこの宿、2001年の開業以来、相変わらずの人気を誇っています。
 同様に、この湯ヶ島温泉のすぐ先の嵯峨沢温泉にある姉妹館の「嵯峨沢館」も、評判のとても高い宿です。

 さて、宿自体は猫越川沿いに建ち、横長の造り。閑静で自然豊かな景観で、聞こえてくるのは川のせせらぎのみ。こうした周辺環境に加え、宿自体のキャパシティが少なく、また各部屋に部屋露天がついているため、パブリックスペースで他の客とすれ違うことが皆無なのです。食事時とチェックアウト時以外には、「本当に他に客がいるのか?」と疑ってしまう程の静寂さでした。

 部屋風呂は、最近流行の「いかにも後からとってつけました」的なチープな壺風呂や甕風呂とは違い、大きさ・湯量共に大満足の「きちんとした」部屋露天でした。湯音は比較的低温のため、長風呂するにはもってこいです。風呂からの眺めは、すぐ眼下に猫越川を見やる壮観なものではありますが、対岸にも旅館が隣立しているため、木々で目隠しせざるを得ないのは、致し方ないでしょう・・・。

 なお、今回利用したお部屋は、この宿唯一の洋室でした。こちらはバリアフリーの設計であり、トイレ等も非常に広いものでした。宿側が利用者を選別することなく、バリアフリー対応の部屋を設けるというこの姿勢、とても素晴らしいと個人的には思っています。この辺からも、この宿には非常に好印象を持ちます。

 また、食事は個室ダイニングにて供されますが、前述の通り館内が静か過ぎるため、逆に食事時の厨房での音がうるさく感じてしまう程。
 部屋露天、従業員の方の接客態度、インテリアや立地、価格等どれをとっても非常にハイレベルな宿なのですが、それだけにただ1点、料理にもう少し力を入れて欲しいなーと感じました。いや、量も少なくないですし、見た目にも楽しいし、不味いわけでは全くないんですが、何と言うかあまり印象に残らないんです・・・可も無く不可もなくって感じで、アクセントが弱いというか・・・。
 ただ、朝食に和食と洋食が選べるのはとても良かったです、はい。個人的には、朝食は洋食の方が美味しかったです。それと、焼酎などのお酒の種類が中々充実していた点も◎。

 訪れた日はちょうど雪が降りしきる日でしたが、静寂な館内で降りしきる雪と雪化粧した周囲の木々を眺めながらのんびり露天風呂に入るという、この上なく幸せなシチュエーションを堪能できました。紅葉の時期がやはり一番人気のようですが、真冬のあせび野も中々乙なものでした。

川沿いに佇むため、川に沿って横長の造りとなっている入ってすぐにあるロビー。
調度品も非常にハイセンスなものでまとめられています ロビーは二面採光で高さもあるため、非常に開放感があります
今回利用した唯一の洋室。バリアフリーとなっており、トイレなども非常に広い造りとなっています。 部屋内は靴を履いたまま利用することになります。
部屋付の露天風呂。広さも湯量も申し分ないです。 眼前には猫越川が流れる景観。目隠しの木々も気持ち良い。
露天風呂脇にはテラスがあります。 前菜。筍が香ばしかったです。
海老やら手毬寿司やら 御椀
刺身。うーん、少ない! 焼き魚
煮物。やや薄味か。 中皿はステーキ。この辺名産の山葵でいただきます。
鍋物。冬だったため中々嬉しい一品。 酢の物
味噌汁 白飯
香の物


あせび野

静岡県伊豆市湯ヶ島1931-1 
TEL: 0558-85-1926
1泊(2名) @27450円〜
in 14:30〜/out 〜10:30

あせび野 http://www.asebino.com
 
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